毎年多くの留学生が日本を訪れます。彼らにとって、日本はさまざまな文化が融合する場となっています。そして、日々勉強をしたり生活をする中で、親や友人が近くにいないことから孤独を感じることもあります。また、カルチャーショックや言葉の壁、生活習慣、社会の規則の違いから、無力感や混乱を感じることもあります。しかしその一方で、ふとした時に、心を温かくしてくれるような素敵な瞬間に出会うこともたくさんあります。同じ日本に住んでいても、留学生の目から見える世界は、日本の皆さんから見える世界とは異なるものである場合があります。それは留学生にとって、自分たちの故郷とは別のパラレルワールドで生活をしているようなものかもしれません。

この展覧会では、留学生が作った芸術作品を通して、このパラレルワールドの中の孤独な、頼りない、迷いのある、しかし温かく光る瞬間を皆さんにご覧いただければと思います。本展覧会を通して、留学生に表現の機会を与え、留学生の生活を多くの人に伝えるほか、留学生と地域の人が共に理解を深める機会になればと願っています。また、日本の皆さまが今までの生活環境を新たな視点で見るきっかけになれば嬉しいです。

展覧会には、関西・関東の留学生が手掛けた、写真、イラスト、日本画、絵本、プリント、デジタルメディア、ファブリック、インスタレーション、建築デザインなど、さまざまなジャンルの作品約40点が集まりました。これらの作品の中には、アーティストが留学生活について考えていることや、向き合う自身の内面、自分の置かれた日本の生活環境や社会への景色などが盛り込まれています。

主催・企画者
陸 冉 Ran Lu


主催チーム
藍 予智 (Yu-Jr Lan)/ 村上 遥 (Haruka Murakami) / 林 尭親(Takechika Hayashi)
謝 雪晴 (Xueqin Xie)/ 許 津銘 (Jinming Xu)

【共催】(公財)京都市国際交流協会

【協賛】株式会社エイエムエス 様